2017年09月22日
ミャンマーから本大学小児科学講座にて海外研究留学中の大学院生、Yinmon Htun先生が、2017年9月2-5日に大阪で行われました、44th Annual meeting of Fetal and Neonatal Physiological Society(FNPS, 第44回国際胎児新生児生理学学会学術集会、会頭:三重大学産婦人科 池田智明教授、大阪 HP:http://www.c-linkage.co.jp/fnps2017/)にて、The best oral presentation award(最優秀口演演題賞)を受賞されました。発表演題名は、”The Effectiveness of Hydrogen Gas Inhalation as an Adjuvant Therapy of Hypothermia in Neonatal Hypoxic-ischemic Piglet Model”です。本研究では、当科研究グループが独自に開発した新生仔豚仮死モデルを用いて、「新生児低酸素性虚血性脳症に対する標準治療である低体温療法に、水素ガス吸入療法を併用した新規治療法の運動機能的予後改善効果」を検証したところ、この新規治療法では低体温療法のみよりも大きな予後改善を認めたというものです。
FNPS(胎児新生児生理学学会、HP: https://research.pdn.cam.ac.uk/fnps/)は、1974年にオックスフォードで設立され、今年で44年を迎える大変歴史のある胎児生理学学会です。現在は、The Department of Cardiovascular Physiology and Medicine, University of Cambridge のDino A Giussani教授が理事長を務められています。今年は10年ぶりに日本での開催となり池田智明教授が会頭を務められました。このような胎児生理学の分野に特化した国際学会で、私たち香川大学から受賞者が出たのは初めての快挙であり、大変な栄誉あることです。
Yinmon先生は、ヤンゴン第1医科大学医学部(ミャンマー)卒業後に2年間、初期研修医師として勤務されました。その後来日(2015年)、当大学小児科学講座へ留学され、昨年4月に当大学医学系研究科に入学されました。今年3月には、本庄国際奨学財団より海外留学奨学金を獲得され(競争倍率40倍)、現在、当科新生児脳循環酸素代謝研究グループにて「新生児低酸素性虚血性脳症に対する新規治療薬の開発」を研究のメインテーマとして、日々研鑽を積まれています。