2023年03月30日
令和5年1月12日から2月13日まで、JICAからの受託事業として、アジア・アフリカ諸国における遠隔医療の促進および質向上への貢献を目指して、表題の課題別研修を実施しました。初年度となる本年度の研修では、ブータン王国(1名)、ドミニカ共和国(2名)、セネガル共和国(2名)、シエラレオネ共和国(3名)から、行政官や大学教員、医師等の計8名が参加しました。
本研修では、遠隔医療先進県として産学官連携のもと遠隔医療技術の促進に取り組んできた香川県に位置する香川大学の知見を活かして、講義はもとより、行政、大学、医療機関、民間企業の視察や意見交換の場を多く設けました。そして、遠隔医療技術の導入・活用、人材育成手法、遠隔医療と補完関係となる地域医療体制の強化事例等を通じた、強靭かつインクルーシブな保健医療システム構築にかかる実践的知見を養うことを目的としました。
研修カリキュラムの詳細については、日程表をご参照ください。
研修後のアンケ―トでは、研修修了者6名全員が各自の研修目標を達成したと自己評価しました。また、遠隔医療の実施および医療機関協力体制の構築に関する地域保健医療体制上の課題の把握についても全員が達成したと回答する等、総じて高い評価を得ました。一方、日本の地域保健医療に関する基本的な研修がやや少なく、十分な理解に至らなかったと思われるケースや、研修員間で課題を共有し論議する時間が不足していたとの意見もありました。また、特に遠隔医療の現場における実地研修を経て初めて到達可能な事項も多いことから、渡日研修の実施が強く要望されました。次年度以降は、座学を中心とする遠隔の事前研修と渡日研修を組み合わせたハイブリッド方式での実施を検討し、研究員間での論議を大いに促したいと思います。さらにアクションプラン作成指導を加えたいと考えております。