2022年03月28日
2月16日(水)、23日(祝・水)11:30~14:00 香川大学が部局間協定を結んでいるチェンマイ大学看護学部1年次学生40人と香川大学医学部看護学科・医学系研究科看護学専攻の有志学生9名でオンライン国際交流事業を実施しました。
昨年5月頃より構想を練り、香川大学医学部国際交流委員会のサポートを受けながら、感染症対策における人権をテーマに、看護職として求められる倫理観を養成することを目的として実施しました。
今回取り扱ったのはハンセン病です。ハンセン病療養所という名の隔離施設は世界中に存在し、共通する負の遺産ですが、日本の隔離政策はその中でも異例なほど長く、今なおハンセン病から学ぶべきことはたくさんあります。一方、タイ王国ではハンセン病は過去の病との認識が強く、社会的な差別・偏見は解消されているようでしたが、その一方で、HIV陽性者への隔離政策が策定されるなど、歴史を繰り返している部分も垣間見えました。同じアジアの一国として互いの国の感染症対策を俯瞰し、時に批判的に吟味することで、国内で振り返るだけでは見えてこない課題が見つかることを期待しての実施でした。
授業時間の制約とオンラインでの交流で、活発な意見交換が難しい中でも学生は「知らないことに気づき、知ろうとすることは、医療従事者である前に人として重要なことだと思った」「法律があると、それを基に考えてしまい、疑問をもたずにしたがってしまう。それが支援すべき対象者の人権を侵害してしまった長い歴史を作っていたのではないか」など、人権を尊重することを責務としてもつ看護職の基本的な姿勢を学んでいたようでした。
なお、これらの活動は2021年度 放送大学教育振興会助成金および令和3年度 香川大学国際共同研究等援助事業の助成を受けて実施しました。