Surgeon-Scientistの育成をめざして
香川大学整形外科学講座では、卒前教育として外傷学、関節外科学、脊椎外科学、骨代謝、手の外科学、リウマチ疾患、末梢神経の外科、マイクロサージャリー、骨軟部腫瘍などほとんどすべての整形外科領域について系統的講義を行っています。骨・関節や脊椎の解剖をわかりやすくイラストを用いて講義し、診断法や治療法について専門医のみならず他科の診療医師としても必須の運動機能学を教育しています。
5年次の医学実習1においては、各グループごとに代表的疾患の患者さんを割り当て、指導教官が病歴の聴取、画像診断法、手術適応、手術術式、後療法についてきめ細やかな解説を行っています。また実習中にミニレクチャー、ビデオ実習、模擬骨やシュミレーターを用いた手技の実践などを取り入れ多彩な実習内容となっています。
また6年次の医学実習2においてはさらに高度で実践的な手術学の体験のほか、状況によっては整形外科関連の学会参加も推奨し、最新の知識を学ぶ雰囲気を体験できます。
卒後教育としては、日本整形外科学会が認定する整形外科専門医を養成するために、きめ細やかな後期卒後臨床研修プログラムを設定し実践しています。
このようにEBM (evidence-based medicine) を基に最新の知見を取り入れつつ、外科医(=職人)ならではのスキル・経験を次世代に繋げていけるよう、教育に力を注いでおります。
当講座ではWilliam Oslerの言葉“The practice of medicine is an art, based on science.”をスローガンに掲げ、現状に満足することなく、患者さんの声に耳を傾けることで、患者さん、整形外科医の問題点を起点としてscienceに基づいたより良い治療法を提供できる“Surgeon-Scientist”の育成を目指します。
整形外科では全身の骨・関節組織をその研究対象にしています。細胞生物学的なアプローチだけでなく、運動力学的アプローチも駆使してその機能修復・再建方法の開発を行います。また、超高齢社会が問題となっている日本において、高齢者の骨粗鬆症に対する治療法の確立は骨折予防と健康寿命の延伸に重要です。当教室が持つ硬組織評価技術はモデルの評価に有用です。さらに、骨・軟部腫瘍も重要な研究対象であり、基礎研究・臨床研究からより良い治療法の開発を目指します。
香川県ならではの希少糖に関連する基礎研究も整形外科領域で展開しており、オリジナリティーの高い研究が可能と考えています。動物実験だけではなく、患者データ、サンプルを最大限に利用しながら学際的なアプローチで研究を展開していく予定です。
職名 | 氏名 | 専門分野 |
---|---|---|
教授 | 石川 正和 | 膝関節、再生医療 |
准教授 |
岩田 憲 | 股関節、骨粗鬆症 |
講師 | 小松原 悟史 | 脊椎 |
講師 | 森 正樹 | 膝関節 |
助教 | 西村 英樹 | 骨軟部腫瘍 |
助教 | 山口 幸之助 |
上肢、マイクロサージャリー |
助教 | 福岡 奈津子 | 骨軟部腫瘍 |
助教 | 根ヶ山 敬大 | 股関節 |
病院助教(救命救急センター) | 千田 鉄平 |
股関節、外傷 |
病院助教 | 岡 邦彦 |
上肢、足 |
病院助教 | 伊達 直人 | 膝関節 |