Physician scientistを育成する
循環器・腎臓・脳卒中内科学教室
学生や初期研修医には、問診や身体所見を丁寧にとることの大切さを繰り返し伝えていきます。これらの基本となる医療技術の体得に加えて、患者さんと正面から向き合い、寄り添うことの大切さも伝えます。後期研修医には、「できないこと」、「わからないこと」が当たり前と思わないように伝えています。そこから生じるクリニカルクエスチョンを解決するためには研究が必要であり、これらに取り組むリサーチマインドを持った「Physician scientist」を育成したいと思っています。さて、アメリカの内科医ウィリアム・オスラー博士の有名な言葉に、「人は血管とともに老いる」があります。当教室で取り組んでいる疾患の中には、虚血性心疾患、腎硬化症、脳卒中、末梢動脈病変などのまさしく血管に起因する病気が多くあります。本教室は、冠動脈疾患や末梢動脈疾患に対する血管治療、そして、脳外科の先生と一緒になって脳卒中に対する血管治療を「one-stop」で学ぶことができる環境を実現します。この強みを活かして、香川県下のみならず全国から優秀な若手医師を募っていきます。最後に、教室員には、留学を積極的に勧めています。世界を体験し、海外で得られたことと日本での経験をブレンドして自分独自のものを創り上げ、香川大学で力を発揮していただきたいと思っています。
研究は大学病院と他の病院が大きく異なる点の一つです。急性心筋梗塞患者に対してカテーテル治療が成功したにも関わらず、心機能がむしろ障害される虚血再灌流傷害はなぜ生じるのでしょうか?また、心不全の半分以上を占める拡張不全については病態も治療法も分かっていません。腎生検は患者さんのみならず実施する医師にもとてもストレスがかかる検査です。腎生検は画像診断で代用できないのでしょうか?このように臨床現場には様々な未解決な課題が山積しています。これらの課題を解決するためには、心筋虚血再灌流傷害の成立機序や拡張不全の病態を明らかにするための基礎研究が必要です。また、腎生検でしばしば認められる増殖メサンギウム細胞の膜表面に発現している分子を検索する必要もあるでしょう。クリニカルクエスチョンを解決するために積極的に基礎研究や臨床研究を行い、臨床現場に還元していきたいと思います。その中で、香川の強みである希少糖、日本最大の医療ICTネットワークであるK-MIX、小児生活習慣病予防健診に携わる方々と共同研究を進めて参ります。
職名 | 氏名 | 専門分野 |
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教授 | 南野 哲男 | 循環器内科学 |
准教授 |
野間 貴久 | 循環器内科学、虚血性心疾患、心不全、ペースメーカー治療、弁膜症、心筋症、不整脈、血管内治療 |
病院准教授 | 祖父江 理 | 腎臓内科学、慢性腎臓病、腎移植、腎不全外科、腹膜透析、血液浄化、高血圧、腎炎、ネフローゼ症候群、水電解質異常、先天性腎疾患 |
病院准教授 | 村上 和司 (医療安全管理部) |
循環器内科学、虚血性心疾患、冠動脈インターベンション、心不全、血管内治療 |
講師 | 石川 かおり (総合内科) |
循環器内科学、人工ペースメーカー、肺高血圧、弁膜症、心筋症、心不全、心臓超音波診断 |
講師 | 石澤 真 | 循環器内科学、カテーテルアブレーション、不整脈、ペースメーカー治療 |
学内講師 | 大原 美奈子 | 循環器内科学、カテーテルアブレーション、不整脈、ペースメーカー治療 |
学内講師 |
三宅 祐一 | 循環器内科学、虚血性心疾患、カテーテルインターベンション |
学内講師 | 松永 圭司 | 循環器内科学、カテーテルアブレーション、不整脈、家族性高コレステロール血症 |
助教 | 本条 崇行 | 循環器内科学、虚血性心疾患 |
助教 | 石原 優 | 循環器内科学、カテーテルアブレーション、不整脈 |
助教 | 飛梅 淳 | 循環器内科学 |
病院助教 | 大西 啓右 | 腎臓内科学、各種腎疾患、糸球体疾患、水電解質異常 |
病院助教 | 宮井 翔平 | 循環器内科学 |
病院助教 | 井上 朋子 |
循環器内科学、心不全 |
病院助教 | 國正 靖 (血液浄化療法室) |
腎臓内科学、各種腎疾患、腎不全 |
病院助教 | 志賀崇史 (血液浄化療法室) |
腎臓内科学 |
病院助教 | 蔵下元気 | 循環器内科学 |
病院助教 | 戸田雄太 | 循環器内科学 |
特命助教 | 谷 良介 (臨床栄養部) |
循環器内科学、NST |