心身医学
神原 憲治 教授
きってもきれない「こころ」と「からだ」
-心身相関の臨床心理学と臨床医学への適用
教 育
- 心身医学は、心身相関(心と身体の関係)を基本概念とした医学であり、医療に適用した診療科としての心療内科、疾患としての心身症の基盤になる医学です。心身症や機能性疾患などのストレス関連疾患は増加の傾向にあり、医療はもとより、心理臨床や教育、産業保健などの領域においても心身医学の基本的知識は必須のものとなっています。
- 本学・医学部臨床心理学科においては、医学と臨床心理学の両者の視点や関係性を理解することが重要であり、そのベースになるのが心身医学です。
- それを踏まえて本講座では、心身医学の基本概念、心身相関、ストレスと疾患の関連性の機序などの基礎的概念の理解、医療機関等での臨床応用、応用精神生理学などの心身相関を踏まえた治療的アプローチなどについて、知識と実践的理解を深める教育を行います。
研 究
心身医学の研究は心身相関の検討を中核テーマとし、医学と臨床心理学にまたがる学際的な研究です。ストレスと身体生理状態の関係についての検討をベースに、情動・心理との関連、ストレスが密接に関与した心身症や機能性疾患の病態、心身相関をベースにした治療法についての検討などを行います。
- 心身症及び機能性身体疾患の病態:精神生理学的ストレスプロファイルを用いた検討
- 内受容感覚と心身の情動プロセスについての検討
- アレキシサイミア(失感情症)とアレキシソミア(失体感症)についての検討
- 日常生活での心身モニタリングによるストレス評価と疾病リスクの予測についての検討
- 非線形モデルによる心身相関及びストレス反応の解析
- 心療内科におけるバイオフィードバック
大学院を志すかたへ
医学系研究科臨床心理学専攻の心身医学では、こころとからだの関係について、疾患から健常にまたがる人の実際の病態や心理的特性に即した、より深い教育と研究を行います。以下、具体的な教育・研究テーマの例です。
- 心理社会的ストレスと人間の健康状態や身体症状は、どのようなプロセスで影響しあっているのか。
- さまざまな状況における心身の変化は、主観的・客観的にどのようにとらえられるか。
- 心理面接場面における心理的変化と身体生理的変化はどのように関係しているか。援助者とクライエントの変化はどのように関係し合っているか。
- 身体内部の状態をとらえる「内受容感覚」は、感情や心理・情動プロセスとどのように関係しているか。
- 自己の身体や感情への気づきは人間の健康や疾患においてどんな意義を持つのか。
- 心身症、ストレス関連疾患や、生活習慣病などの身体疾患はどんな病態を持ち、どんな心理的アプローチが期待されるか。
心身医学や心療内科学に興味のある皆さんの、学びへの志をお待ちしています。
教職員
職名 | 氏名 | 専門分野 |
教授 |
神原 憲治 |
心身医学、応用精神生理学、心療内科学 |
技能補佐員 |
モストファ・ライサ
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(公認心理師) 臨床心理学 |
事務補佐員 |
髙木 由貴 |
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