人の一生をとおした「こころ」の成長・発達・成熟によりそう -ライフサイクルという観点から
『発達心理学』や『青年心理学』などの授業をとおして、誕生から死に至るまでの人の「こころ」のライフサイクル、すなわち成長・発達・成熟に関して、教育を行います。なお、発達というと、伸長・獲得というイメージが強いかも知れませんが、その中には衰退や喪失も含まれていることを学んで行きます。このような心理学の知見にふれて、学生のみなさんが自分自身の生い立ちを振り返り、みずからの「こころ」のありようや人とのかかわり方と向き合い、未来への展望をもてるようになることを希望します。
高齢者に対する力動的個人心理療法、とくにライフレビューについて研究しています。ライフレビューとは、セラピストが高齢者の生い立ちを中心に傾聴する中で、その人が自分の人生の否定的側面と肯定的側面の両面を見つめ、そこに意味を見出して、唯一、1回かぎりのかけがえのない人生を受け入れていくプロセスのことを言います。超高齢社会を迎えたわが国において、高齢者の「こころ」を支えはぐくむ心理学的視点は、ますますその重要性を増していくと思われます。
臨床心理士や公認心理師は、単位を修得して試験に合格すれば取得できる“資格”のひとつです。ただ、“ほんとうの意味での心理臨床家”とは、なりたいと希望すれば誰でもなれる、一定の努力さえすれば必ずなれる、というような性質のものではないように感じている私(の中のある一面)もまたあるということを、まずは率直に、誠実に、告白しておかねばなりません。
耳あたりの良い惹句を並べて、できるだけたくさんの受験者を募ったほうが(教員の職務としては、そしてこの文章の趣旨としては)良いのかもしれません。でも、私にはそれができません。
心理臨床家とはなんだろうか…。私自身、偉そうな“正解”を持っているわけではありません。答えの出ない問いを抱えて、悩みながら、なんとか日々を生きているだけです。
ですが、もし、こんな奇妙で、青くさい問いかけが少しでも気になったとしたら…あなたも、ここで、一緒に、臨床心理学を学んでみませんか?
職名 | 氏名 | 専門分野 |
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教授 | 林 智一 | 心理臨床学・高齢者心理学・発達臨床心理学 |