2020年01月21日  その他

野口修司 准教授が「竸基弘賞心理学部門業績賞」を受賞しました

特定非営利活動法人国際レスキューシステム研究機構(IRS)から第15回竸基弘賞心理学部門業績賞の決定についての通知があり、野口修司准教授(医学部臨床心理学科 社会・集団心理学)が受賞することになりました。竸基弘賞は、阪神淡路大震災により23歳の若さでなくなった、当時神戸大学大学院生の竸基弘(きそいもとひろ)氏にちなんで、レスキューシステムの研究開発に顕著な貢献のあった原則として40歳未満の若手の研究者、技術者を表彰し、研究開発を奨励することを目的とした賞です。2014年度からは、5年に1度、医学部門業績賞、心理学部門業績賞の表彰を行うこととなりました。野口准教授は心理学部門業績賞として2人目の受賞者となります。

【功績の概要】
今回、野口准教授が受賞するに至った功績は「東日本大震災における被災自治体職員に対する長期的なメンタルヘルス支援」によるものです。野口准教授は、2011年の東日本大震災以降、主に宮城県内において被災者の心理的支援活動に尽力。特に、2012年から2018年の約6年間は津波による最も大きな被害を受けた自治体である石巻市役所において常勤の臨床心理士(石巻市総務部人事課所属)として職員のメンタルヘルス支援業務に従事しました。現在も不定期ながら石巻市役所を訪問し、継続的な支援に携わっています。また、自身の経験を活かし、大規模災害における心理支援について学会や自治体等で講演を行っているほか、支援活動に関して複数の論文や著書等で発表しています。
数々の業績では、被災自治体職員の長期的なストレス状態について、震災直後の「被災体験や親しい人との死別に基づくストレス」と震災以降の「過大な業務量によるストレス」という2つの段階に分け、それぞれのストレスの特徴や支援の在り方について論じています。また、被災自治体の職員だけではなく、全国から応援に来ている派遣職員についても、独特な立場ならではのストレス要因に着目し、その特徴について述べています、そして、被災自治体職員の長期的なストレスの変化について統計的に分析し、その軌跡について明らかにしました。