教育系や文学系ではなく、医学部で臨床心理学を学び、実践する。これは全国の国立大学で初めての試みです。
人の心や生き方に寄り添うには、高度な専門性が必要になります。本学科では、心理学・臨床心理学を体系的に学ぶことはもちろん、医学・自然科学の確かな素養を身につけることができます。
ひとの「こころ」と「からだ」は密接に結びついており、相互に影響を与え合っています。そのため、「こころ」を理解するためには「からだ」についての学習を進める必要があります。基礎医学と疾患・障害についての理解、さらにそれらと心理学・臨床心理学のつながりを幅広く習得します。
臨床心理学や医学の研究者でもある教員から、心理援助者にとって重要な「こころ」と「からだ」の仕組みを学びます。一方、医師・看護師をめざす学生とともに学ぶ機会もあり、こうした学びを通して多職種連携スキルを身につけていきます。附属病院をはじめとする医療機関・福祉施設などにおける実習により、実践力を磨いていきます。
早期体験学習(多職種連携) 【1年次】
医学科の学生と合同で医療・福祉施設などを訪ねて、その実際を学びます。異なる学科の学生が同じ事例を一緒に検討し、多面的な支援のありかたを考えます。
臨床心理学【2年次】
臨床心理学の基本的な知識や援助方法を知ると共に、現代社会における役割や課題を展望します。また臨床心理学の研究法、倫理、そして臨床事例の記録の取り方についても学びます。
心理面接演習Ⅱ 【3年次】
カウンセリング場面のロールプレイの発表・検討の演習を通して、カウンセラーの基本的な応答・姿勢について学習します。演習を通して基本的姿勢を培うことで、専門的な実習に備えていきます。
生理・神経心理学 【3年次】
心理は,生物学的側面から大きな影響を受けています。学習・記憶の機構や感情の成因など、脳科学の最新の知見を学びます。
チーム医療実習 【4年次】
附属病院の診療科及び地域医療機関でチーム医療を学びます。多職種のスタッフが連携して治療にあたっている医療現場で、それぞれの役割を実践的な観点から理解していきます。
臨床心理学科の定員は20名
公認心理師または臨床心理士資格を有した専任教員11名(心理・臨床心理学系9名、医学系2名)が一丸となって担当します。
「こころ」の健康と成長について細やかに学び、さらにロールプレイ等を通して、人間性を尊重した対人支援の態度や共感的コミュニケーション能力を身につけます。
本学科は保健医療領域で活躍する人材のみの養成を想定しているわけではありません。本学科のカリキュラムや学習内容は、保健医療に限らず、教育・福祉など様々な領域で活かせるものとなっています。こうしたカリキュラムを通して、広く社会で活躍できる心理援助者を育成します。